日時:2007年3月17日(土)
場所:WAOクリエイティブカレッジ 講義室
KUROFUNE PRODUCTSより平 興史氏をお招きして、VFX・CGクリエイターの仕事と題して行われた今回の業界セミナー。今回はその様子をレポートします。
数々の劇場映画における3DCG、VFXの制作からTV番組やアーティストのPV(プロモーションビデオ)、企業用VP(ビジュアルプレゼンテーション)などの3DCGプロデュースに至るまで、幅広いフィールドに活躍の場を持つKUROFUNE PRODUCTS。そのKUROFUNE PRODUCTSの代表である平さんのセミナーとあり、映画、CM、TVなど幅広いジャンルにおいてのCG、VFXの役割、制作の裏側を知りたいと、会場には就職活動を控えたカレッジ生から、4月からまさにCGの勉強をスタートするカレッジ生まで、数多くの方が集まりました。
「みなさんこんにちは!!!」セミナー冒頭はこんな勢いのある挨拶で始まりました。実はこの挨拶には、平さんのある思いが込められていました。
「撮影現場に行くと苛酷で、大変なことがたくさんあります。また、初めて顔を合わせる現場のスタッフには、“コンピューターしか相手にしないCG家がまた来たわ…”と話を聞いてもらえないことも多々あります。しかし、そんな現場においても、いつも思うようにしていることは、“やるしかない!としか考えない”ということです。“このカットを撮ればこの作品はもっと良くなる!頑張ろう!”そんな、気合の入った思いや挨拶は、当然周りのスタッフに伝わります。そうすると、みんな私たちの話に耳を傾けてくれるようになります。ですから皆さん、現場での挨拶はポイントですよ。」
「CG、映画、TV業界と各業界によって、仕事の流れは異なってきます。例えばCM業界。一般的にクライアント→広告代理店→制作プロダクション→CGプロダクションという流れが主流で、我々CGプロダクションに仕事がくるまでには、たくさんの人々が関係してきます。当然、多くの人の意見が反映された作品は一般受けしますが、出来上がった段階で、我々のアイディアはほとんど反映されていない。そういった仕事も少なくない。」と、そう語りながら、平さんはある企業から依頼され、企画から制作まで全てに携わったVPを見せてくださいました。 「この企業用VPは過密スケジュールをやっと脱し、一息ついたくらいの直後に引き受けた仕事で、身体的にもきつい時期だったのですが、企画から任せてもらえる、ということで引き受けました。企画から制作に携われる仕事というものは、かなりやりがいがあるものです。やはり制作をしている以上、制作の根幹、つまり川上の方から仕事に携わらないと(笑)。」
「“やりたいこと”を優先しましょう。そうすれば“やれること”は後からついてきますから。」セミナー終盤、就職活動を間近に控えたカレッジ生に向けてコメントを、との要望に平さんはこのように返答してくださいました。 「私の場合は“映画の仕事がしたい!多くの人に喜んでもらえる映像の仕事がしたい!”と、この気持ちだけで就職試験を突破してきました。“やれること”から考えて、就職を絞っていくと結構つまらないものになってしまうと思います。まず“やりたいこと”があればいいんです。出来ない部分は、任せられる友人にお願いしてもいいわけだし。」 “とにかく自分にやらせて欲しい!任せて欲しい!こんな思いや情熱は必ず相手に伝わり、やる気さえあれば、やれることなんて後から自分の努力次第で付けていける。”そんなことを強く印象付ける平さんの力強いアドバイスに、就職に向けて少し考え過ぎていたり、臆病になっていたカレッジ生の表情もずいぶん明るいものになっていました。
「CG業界、と一言で言っても、CM、映画、PV…それぞれ仕事の仕方は変わってきます。ですから、“就職”ということを考えたときには、“どこに携わりたいか、何をしたいか”が重要になってきますが、私は、全てやってみても良いと思っています。みなさんはCGを扱える。CGだけはカメラがなくても特撮セットがなくてもコンピューターさえあればゼロからものをつくることが出来る。これは本当にすごいことなんです。つまりみんなは全分野に携わることが出来るということなのです。」
セミナー終了後、参加者からは、「平さんはタイトな制作スケジュールの中で、膨大な作業をこなされているはず。なのに、苦労をものともしないスタンスやそれを全く感じさせない発言をされていて、その姿に圧倒されました。」といった内容のコメントが数多く聞かれました。
様々な業種の理解をして欲しい、考えることよりもまず行動に移して欲しい、こいうった就職担当の思いのもと、平さんをお招きして開催された今回のセミナー。“考える前にまず行動を!出来ないかもしれない・・・ではなく、まず全てを忘れてやり抜いていく!”といった、これら熱のこもった言葉は、今日の参加者に存分に伝わったのではないでしょうか。
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